福知山線に乗って

事故現場に残っているもの

 当番弁護士の出動要請がありました。川西署へ行くため福知山線に乗ってます。あの脱線事故の現場にはまだテントがあって千羽鶴をおいた記帳場みたいなところがあります。また、現場付近では今でも電車が減速するんです。車内の人も何とは無しに窓の外を見ています。まだ、悲しい記憶がこの場所から消えてはいないようです。
 事故後は、車内の人たちはもちろん近くの工場の方たちも現場に駆けつけ、大惨事で混乱するなか、必死に助け合ってできる限りのことをしたといいます。そんなことを思い浮かべていたからか、ベビーカーを押した女性が降車するときに、すっと手を出して助けていたサラリーマンに目が止まりました。助け合いの記憶もまた、この場所に残ってるんだなと、勝手に納得。困っている人を助け合いたくなる、イイコトしたくなる、こっぱずかしいことだけどしてもいいかな、と思わせる雰囲気ってありますよね。そんな空気が確かに車内に流れてました。

簡単にできることあります

 困っている人を助けるなんて、正面から言うと「実際、なかなか難しいよ」ってところもありますが、簡単にさりげなくできることもたくさんあります。
 アイコンタクトだけでスッと席を譲るなんてのもスマートですが、先ほどのサラリーマンのようにベビーカーが電車から降りるところをスッと助けるというのもスマートにできるとかっこいいです。実際にベビーカーを押して電車に乗ってみると分かりますが、電車から降りるときには結構焦ります*1。そんなとき、進路や順番を譲ってあげる、先に下りた人が片手を出してベビーカーの前部や座面を持って降ろすのを手伝ってあげるなどすると助かります*2。妙な会話は要りません。アイコンタクトか「もちますよ」の一言で十分です。
 そんなわけで、先ほどのサラリーマンさんにはいい気持ちにさせてもらえました。どうもです。

*1:ドアの開いている時間は短いですし、周りの乗降客に押されたりする。いざ自分と子供が降りる番となっても、ベビーカーは段差のあるところを降りるのが苦手なんでモタモタするし、横向きに担ぎあげて降りるのが一番安全だけど、そうするとドアの幅一杯占領しちゃうので気をつかうし

*2:ただし、変な人が子供を触ろうとしているなどと疑われないように、さりげない気遣いであることが大切です。昨今はここが難しいのかもしれません