弁護士なんて信用できない?

設例と回答

タクシーの車内にて
運転手「弁護士なんて信用できね〜な」
弁護士「・・・・*1・・・あんたのいうとおりだな*2

解説

 相談というか、喧嘩売ってるようにも思えるけど、このシチュエーションよ〜〜〜〜くあるんです。前の事務所のとき、事務所前から裁判所に向かうタクシーの中で何度かこういう会話を振られましたよ。「んだよ、喧嘩売ってるわけ?」と応じても仕方ないので、言説を冷静に分析して上記のように答えるのが相当でしょう。
 運転手の発言は、職業人としての弁護士を評して言うならば、あながち間違っていないですよね。二つの考え方がある問題について、ある事件ではAという考え方を採用して依頼者に有利な結論を導き、とある事件ではBと言う考え方を採用して依頼者に有利な結論を引っ張り出すわけですから、「お前はその問題についてどう考えてるわけ?」という質問をされると日によって答えが違うわけです*3。そんな人、もし身の回りにいて日常的に接するとしたら、信用できないですよね。運転手さんは正しいわけです。

追伸

 でも、できればタクシーの中では妙な緊張感を味わいたくないんですけど*4

*1:弁護士たるもの、ここでカチンと来るのも当然なんですが、あえてゆったり間を取って、高倉健ばりの低くぶっきらぼうな声でこう言いたいですね→

*2:このとき、視線は外して、決してバックミラーの中で目があったりしないように注意が必要です

*3:事件と関係ない人になら、個人としては○○と考えていると白状するかもしれませんが、事件関係者にはそんなこともいえませんしね。

*4:どちらかと言えば、静かに車窓の風景でも見ていたいクチです。僕は。