塩野七生作品

サイレント・マイノリティ (新潮文庫) 海の都の物語―ヴェネツィア共和国の一千年〈上〉 (塩野七生ルネサンス著作集)
以前イタリアに旅したとき、訪れようと思っていたベネチアのことを知るために塩野七生の「海の都の物語」を読みました。純粋な歴史物語としても楽しめましたが、著者の小気味よい文体と語り口に魅了されて、次に選んだのがこのタイトルでした。ジャケ買いならぬタイトル買いです。しかし読めばやはり内容も面白かった。昭和12年生まれの著者が、醒めた目ですべてを相対的に見ている「行動的ペシミスト」として、気持ちよいほどに大きな声を上げています。けっしてサイレントではなく,マイノリティを標榜しながらも雌伏の自称マイノリティたち(意外とマジョリティ?!)から大いに共感を得そうな,タイトルとはちょっと矛盾(?)したエッセイ集です。