医療事故,一遺族の試み

医療事故の被害者が医療関係者らと対話を続けてきた流れがあって,このような寄付に至ったということのようです。でも,なかなかできることではないですよね。南山大のロースクールからこのような志を理解する法曹がたくさん生まれるといいですね。

医療過誤防止に」遺族が事故起こした病院に多額寄付

 名古屋大医学部付属病院(名古屋市昭和区)の医療過誤によって脳に重度の障害を負い、23年後の今年3月に43歳で亡くなった稲垣克彦さん(愛知県春日井市)の父・克巳さん(76)と母・道子さん(73)が27日、医療の安全を願い、事故を起こした名大病院に3000万円を寄付した。
 克巳さんは、克彦さんの医療事故をきっかけに、厚生労働省の検討会や医師会などに足を運び、医療の安全に対する思いを訴え続けてきた。克彦さんは3月13日に死亡。克巳さんは息子の生きた証しとして、病院相手の訴訟で得た賠償金の一部の寄付を決めた。
 これに先立ち、医療事故の患者救済にあたる弁護士育成のためにと、克彦さんの母校・南山大(名古屋市)に1000万円を贈っている。    (読売新聞) - 6月27日12時25分更新

さらに希望を言えば,医療事故の被害者側だけの活動ではなく,被害者の心情や実情を理解した上での医療機関代理人としての活動もバランスよくやって欲しいと思います。弁護士大増員時代,業務の細分化/専門化の時代が近づいているのに,悠長なことを言うようですが,弁護士の仕事は「立場の交換可能性」を理解してやるのが大切だと思っているもので。