ディズニーを職業病的に見ると・・・・

 リロ&スティッチを買って子供と一緒に見ています。リロ&スティッチ スペシャル・エディション [DVD]意外に面白かったです*1。音楽としては、やはりエルビス・プレスリーが目立ちますが、これ以外にも「ハワイアン・ローラーコースター・ライド」など、軽快で気持ちをゆったりさせてくれるハワイアンな曲が使われています。
 ところで、ディズニーの映画を見ていて、思わず職業柄納得してしまったシーンがいくつかありました。以下は、かなりおばかな評ですので、付き合って頂ける方だけどうぞ。

    1. リロ&スティッチのラスト

 銀河連邦議長が判決に基づいてスティッチを連れ帰ろうとすると、リロが売買契約書*2を持ち出して「2ドル出してスティッチを買ったの。だから、スティッチは私のもの。連れて行ったら泥棒よ」というシーンがあります。ルールを重んじる銀河連邦議長*3は、スティッチに対する判決の執行方法を変更し、スティッチをリロのもとにおくことにしました。「やっぱり契約という法律行為を見る目が違うな」、とか「おお!即時取得*4だ!」とか思って、思わず要件事実などを検討しかけてしまいまいした。

    1. リトルマーメイドのクライマックス

 アリエルの父である海の国王が、手にした錫の雷撃で、魔女の手にあるアリエルとの契約書を焼き尽くしてしまおうとしますが、アリエルが真意で取り交わしたその契約書の力は強く、王の雷撃をも跳ね返してしまうシーンがあります。これもまた、「どうやらアリエルの祖国は立憲君主制のようだな〜」とか、「制限規範としての憲法の精神がよく理解できるな」とか、「おお、これこそ契約の拘束力だ!」とか思って、アリエルの意思表示について何らかの瑕疵が無いかなど、場面から離れてしょうもない検討をしてしまいました。リトル・マーメイド プラチナ・エディション [DVD]

*1:公開やDVDの発売当時は、人間のキャラクターが日本人的になじめないタイプの描画ではないかと感じて、見る気は起きませんでした。ポカホンタスやムーランもだいたい同じような気がして見ませんでした。しかしながら、リロ&スティッチは大ヒットでしたね。続編もたくさん作られているようですしね

*2:前半にスティッチを「犬」として州政府から購入するシーンがあり、ちゃんと契約書を作っている

*3:ところで、銀河連邦は先進文明国家のようにも見えますが、連邦議長が司法、行政、立法の三権の長を兼任しているようで、もしかして独裁国家?などとも思ってしまいます

*4:民法192条(即時取得) 取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。