映画LoveLetterのロケ地が全焼

Love Letter [DVD]
 映画LoveLetterの舞台として有名な小樽の洋館が全焼してしまったようです*1

小樽火災:「旧坂別邸」全焼 映画「ラブレター」のロケ地
 26日午前9時15分ごろ、北海道小樽市見晴町の市指定歴史的建造物「旧坂(ばん)別邸」から出火、木造一部2階建て約200平方メートルと敷地内の物置約20平方メートルを全焼した。旧坂別邸は1927年に炭鉱主の別邸として石狩湾を望む崖(がけ)上に建設された、赤い屋根が特徴の洋館。94年に歴史的建造物に指定され、映画「Love Letter(ラブレター)」(95年、岩井俊二監督)で中山美穂さんが演じるヒロインの自宅ロケ地となったことでも知られる。(後略)【和田浩幸】 毎日新聞 2007年5月26日 13時09分 (最終更新時間 5月26日 13時35分)

 不幸中の幸いながら、住民の方は無事だそうです。この報に接して、久しぶりにこの映画のことを思い出しました。LoveLetterは岩井作品の中でも有名であり、僕としても好きな映画だったのですが、これはこの映画の設定で神戸と小樽が出てくることと無縁ではありません*2
 神戸もそうですが、小樽は山と海に挟まれた坂の街です。観光地としてはむしろベイフロントの倉庫街とかの方が有名ですが、何度か旅行で行った経験では、住居区は山の手が輪に広がっていたような記憶があります。坂の上の古い洋館であるこの家は、映画の中で、観光地としてでなく、人の住む現実の街としての小樽をよく表現していたと思います。
 こうして思い起こしてみると、どうやら、僕は山と海に囲まれた街に魅力を感じ惹き付けられる傾向があるようです。神戸以外にも、札幌や仙台、四国*3での就職を視野に入れていた僕は、後期修習中のある週末、札幌の法律事務所で面接を受けたあと、研修所のある埼玉県和光市に帰る道すがら、「もし、札幌で勤務するなら、電車でちょっと距離はあるけど、小樽に住もうかな」と、半分本気で考えていましたから(^^)。
 この事件のおかげで、「あのとき違う選択をしていたら、今、自分はどこでどうしているかな」などと、少々不謹慎ながら楽しい物思いに耽ることが出来ました。ただ、最近のエントリー( http://d.hatena.ne.jp/norimichitor/20070502/1178374539 )でも書きましたが、歴史的な建造物が失われるのは、その切っ掛けがどのようなものであれ、寂しいものです。その点は残念ではあります。

*1:中山美穂が演じる藤井樹の自宅。同姓同名だが男性の藤井樹は,柏原崇が演じてました。中山美穂は、男性の藤井樹と婚約していた渡辺博子という女性も二役で演じています。

*2:この街へは、映画の公開前に3度ほど行っていました。兵庫に就職しなかったとすれば、おそらく北海道に就職していたであろう僕としては、設定上で神戸と小樽が交錯する本作には、勝手に親近感を感じているのです。

*3:山と海に囲まれた街のイメージなら、これら以外にも函館、長崎、尾道なども良かったかも知れません。