専門家

 JR六甲道駅前で開業されている皮膚科のドクターがおられます。以前近くに住んでいた時期があって、かなり長い間通ってお世話になりました。一患者として一方的に尊敬しているんですが、ドクターの患者に対する接し方を拝見(拝聴)していて、いつも感心させられていました。自分の仕事にも応用できる点があるかも知れないので,少し思い起こしてみました。

理詰めの分析

 ドクターの問診は、かなり理詰めです。直接的な事から間接的なことまで、現在発生している症状から、その原因として考えられることまで、詳しい事情聴取が行われます*1。事情聴取される内容からして理詰めで序列化されているため、聞かれる患者も理詰めで順に考えていくことが出来ます。逆に、質問があっちこっちに飛んでしまう散漫な問診では、患者は混乱してしまうでしょう*2

純化された説明

 ドクターから患者への説明は極めて簡潔です。病態、その原因を端的に分かりやすく言い切ります。この「言い切る」ということは結構勇気の要ることで、専門知識があればあるほど、枝分かれの可能性を気にして曖昧な答えになりがちです。抽象度の別はありますが、適切な抽象性を選択したら、そのレベルでは言い切る、ということが大切だなと思わされます。抽象的であることと曖昧であることは違うような気がします。

図表やデータの引用

 病態の説明にあたっては,愛用のMacで図表などのデータが示されます。

叱咤激励・鼓舞

 ドクターは説明に対して非論理的な反応をする者、診療上のアドバイスに従わない者に対しては、真剣でない患者には,毅然とした態度を取ります*3
 他方で,病気がひどくて塞ぎ込んでしまっている人や,治療という戦いに滅入ってしまっている患者に対しては,意を尽くして激励,鼓舞します。前回の診察から改善された点を大きく取り上げて,患者のやる気と希望を盛り上げていくことは,とても大切のようです。特に,アトピー性皮膚炎などはライフスタイルや生活習慣と密接に関わりのある病気ですから,本人の気持ち次第で悪化したり良くなったりします。医師の役割にはこれを側面から応援して,持続させるという所があるんだと思います。よく,ドクターが言っています。病気が治るまで付き合うんだと。治療の方針を示して薬を出してハイ終わりではない,と。

 ここまで書いてまたまた眠くなってきました。後日また整理します。何だか文章が分散している。。。。お休みなさい(眠)。

*1:このため診察時間は得てして長くなります。昼前に来院してもまだ10時前に受付した人たちの診察が続いていることも。。。内職や暇つぶしのネタを持参したり、順番を取りつつ外で時間をつぶすなどの対応になります。人気の病院はどこも混んでる、ということでやむなしです。

*2:そういう問診でもも医師は専門知識があるから、最終的な分析は出来るのでしょうけど

*3:例えば、アトピー治療に関して蔓延している民間療法、アトピービジネスなどとして問題視されているものなどを併用したりする患者。処方した薬を適切に用いなかったり,説明を親権に聞いていない患者。こういった患者には厳しく説諭しているのを耳にします