宮本輝

結果論から言えば、僕を神戸にいざなったのは、宮本輝の「花の降る午後」

花の降る午後 (講談社文庫)

花の降る午後 (講談社文庫)

でした。もう一つの就職先候補だった北海道に行っていれば、それは「優駿」でしたが、とにかく10代から20代までの僕は、宮本輝さんの著作に動かされることが非常に多かったわけです。このほかにも、「ここに地終わり海始まる」
ここに地終わり海始まる〈下〉

ここに地終わり海始まる〈下〉

を読んで、そのままポルトガル旅行*1に出かけたりしています。自分の行動力に、今となっては懐かしく感心するばかりです。いや、我ながら影響されやすいもんです。
宮本輝の作品に出逢ったのは、おそらく中学受験勉強の問題集が最初だったと思います。どこの中学だか忘れましたが、過去問に「泥の河」の一節が使われていたように思います。それまで、星新一さんのショートショートとか、海外の推理小説などどちからというと都会的なキレイな冷たい感じの作品を好んで読んでいた中で、宮本作品には汗くささというか人間くささを感じて、新鮮でした。受験問題ですから、作品の一部だけを切り取ったものでしたが、全体が読みたくなったりしました。
今も数年おきに熱がよみがえり、読んでいない作品に手をつけていっています。今、本棚には
新装版 青が散る (上) (文春文庫)

新装版 青が散る (上) (文春文庫)

が待機しているところです。時間を見つけて一気に読みたいですね。

*1:リスボン、ロカ岬、コインブラ、ナザレ、ファティマ、エボラ、ルドンド、3週間はあっという間でした。いつかまた行きたいですが、家族がこの国の良さを分かってくれるかどうか、、、、