判決言渡しの瞬間

 民事事件の場合でも、裁判官は判決を法廷で朗読します。しかし、当事者はというと、通常誰も法廷にいません。原告席も被告席にも誰もいない法廷で、「判決の言い渡しをします。主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。以上です。」などと裁判官の小声がしている様子は、なんだか可笑しく感じられますね。
 なお、われわれ訴訟代理人はどうするかといいますと、通常は電話で問い合わせます。判決言渡期日は午後1時〜1時10分くらいに指定されることが多く*1、その後、数件の口頭弁論、証拠調べがあることが多いので、書記官が執務室に戻る午後3時頃を見計らって、事務局から裁判所に電話をします。書記官から判決主文を聴取し、結果を依頼者へ速報。その後、数日後に届く判決正本によって理由を含めた全容を把握して、控訴するべきかどうかを慎重に検討し、依頼者に意見するという流れでやっています。

*1:審理中の期日指定は、双方の予定を確認してからするのですが、判決言渡期日だけは当事者の都合も聞かずに、「○月○日の午後1時10分に言い渡します」と裁判官から言われます。