自殺について

 また、法曹の自殺報道に接してしまいまいした。

山口地裁支部判事が自殺か 尼崎
 (前略)尼崎東署の調べでは、亡くなったのは山口地裁下関支部の判事(46)。春ごろから、体調を崩し休職中だったという。遺書などは見つかっていないが、同署は現場の状況などから、飛び降り自殺を図ったとみている。
神戸新聞2007/10/13

 ご冥福をお祈りします。もちろん僕はこの件を自殺と断定できるわけでもなく、コメントするのは変かも知れませんが、なぜか書きたくなったので。。。。
 仕事柄、命に関わる事案をたくさん見ている者として*1、自分の命を大切にするという最後の一線が突破されてしまったのが残念です。死んだら自分が無になるのか大霊界にでも行くのか、実際に死んでみなければ分からないのでしょうが、確実なことは残された者の心に大きな傷を残し、そこにその人にとってのつらい思い出としての自分が存在し続けるということです。投げ出そうとしている自分の命が、自分以外の人に大きな波紋を残すこと、そして、それはたいていの場合自分が企図したのとは異なる結果になるであろうこと、そして二度とやり直しのきかない事柄であること、そのいずれかに対して虞を抱いて欲しい。そうなれば自殺を踏みとどまるひとつの切っ掛けが出来るのでは?1件でも自殺が減るんじゃないか、そんな風に思いました。

追記:どうやら、僕が国選弁護事件を多数やっていた当時に担当裁判官だった方のようです。物静かな方でしたが、弁護人の主張にも耳を傾けて、慎重な審理を心懸けられていたという記憶です。顔を見知った方が亡くなられたのだと思うと、改めて哀しくなります。

*1:判事ご自身もそうだったはず