弁護士費用担保特約で

 tamago先生のブログにもお怒りの記事がありましたが、
http://d.hatena.ne.jp/tamago2/20080214#1202959088
 目下、僕も某保険会社と似たようなトラブルを抱えています*1
 事案は、相当因果関係が問題となりそうな難しい損害賠償事件です。依頼者は弁護士費用担保特約の付いた保険に加入されており、弁護士会のリーガルアクセスセンターという部署経由で当職の事務所に来られました。紛争前後の事情、依頼者の希望する解決内容を法律相談によって聴取し、希望する請求額を確定しました。そして、この請求額に基づいて通常事件と同様に着手金を計算し、保険会社に請求しました*2。ところが、これに対する保険会社からの回答に驚かされました。
担当者「○○と○○の損害は認定できないません」
弁護士「それってどういうこと」
担当者「ですから、損害としては認められないと。つまり、着手金を計算するための請求根拠には含められない。認められない損害を除外して、当社が認める範囲の損害を基準に着手金を計算すると○円となります。まあ、証拠が出てきたら後日払います」
っていうような感じなのです。
 まだ相手からの反論もなく、裁判所の判断も出ておらず、事件の処理に着手してすらいない*3のに、保険会社は依頼者の請求しようとしている内容を切り捨てていくんですから。。。。着手金の請求をするために、一体どれだけの証拠をそろえなければならないのか、まずは無償で着手して証拠を収集しろと言うことなのか。弁護士費用担保特約の存在意義を失わせるような対応にがっかりし、腹も立ちました。今後の対応を考えなければなりませんが、まだ、確固たる方針が立たない状態です。敵は相手方ばかりではないのが、当業界の常なんですよね。はぁ。

*1:事案をデフォルメして多少変えてから記事にしています

*2:立証等で困難が予想される事件でもあるので、むしろ着手金としては増額自事由があるような事件ですが、通常通りの基準で請求しました

*3:つまり、適切な証拠収集活動すら始められていない状態