子どものケンカ

事例

 小学4年生の蒲田くんが,体育教室の受付に並んでいました。同級生の植木くんが蒲田君に悪口を言ったことからケンカになり,組み合いながら倒れた蒲田君が足の骨を折る怪我をしてしまいました。蒲田君は1ヶ月ほど入院するなど思い怪我でした。蒲田君の両親が植木君の両親に,治療費などの300万円の賠償を求めたのに対して,植木君の両親は「うちは普段から子どもに『暴力はダメだ』と言って聞かせています。子どものことですから,なかなか言っても聞かないところはありますがね。学校にまでついていってケンカしないかどうかずーっと見てるわけにも行かないですし,親として出来る範囲のしつけはしています。だから,賠償の責任はないです」と反論して,入院時のお見舞金10万円を持参しただけで,あとの支払には応じませんでした。

解決の流れ

 受任した弁護士は,まず交渉での解決を試みました。民法714条で認められる親の責任について植木君の両親に説明をして,妥協点を見いだそうとしましたが,話し合いは平行線でした。2ヶ月後,蒲田君の両親は植木君の両親を被告として訴えを提起しました。植木君の両親は「監督義務は尽くした」として争いましたが,裁判所は,親の監督義務を広く認めて植木君の両親の責任を認める一方,ケンカの状況を詳しく分析してケンカへの発展について蒲田君にも若干の落ち度があると認定,蒲田君の両親の訴えを200万円の範囲で認め,判決は確定しました。植木君の両親は,賠償責任保険などに加入していなかったため,賠償金については,判決確定後に改めて話し合いをして,分割払いをして貰うことになりました*1

ちなみに弁護士費用

 この事例では,着手金は25万2000円(税込み),報酬金は39万円9000円(税込み)が標準的な報酬額になります。相手から受領した賠償金で報酬金を支払いましたので,蒲田さんの手元には160万円余りの現金が残ったことになります。

*1:東京地裁平成20年2月22日判決をベースにした仮想事例です