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設例と回答

事務所での相談にて
相談者「,,,,,で,結論はどうでしょうか」
弁護士「このケースについては、○○という考え方と、○○という考え方がありえますが,裁判例の傾向も複数確認しておいた方がいいと思います。最近,実務の考え方が動いているところなので,若干調べてご報告する時間を頂きたいのですが。」
相談者「え〜、今日結論を教えて貰いたいんですけど」
弁護士「・・・*1・・・いやいや、僕の考えを今言えと言われれば言いますけど,それで決まるわけではないですよ。他の弁護士や裁判官がどういっているかも併せて知りたくありませんか*2。」

解説

 弁護士は法律専門家ではありますが、まだまだジェネラリスト的な側面があって,専門を持って,その分野なら何を聞いて貰ってもOK。即答するよん。ということは稀です。実際には,ある程度調べてみて色々な問題点に気づかされることも多いです。特に,弁護士に成り立ての場合,「意地でも即答するな」という指導をするボス弁もいるくらいで,法律相談での即答は恐ろしいものなのです。このことは,弁護士にとっても依頼者にとってもです。
 というわけで,相談者のみなさん,弁護士が「調べてみます。。。。」と言ったら,よほどの事情がない限り,その場ではそれ以上応えてくれないものと考えて,数日で良いので待ってあげてください。きっと,その場で答えるより+αの良い情報を得られると思います。

追伸

 ちなみに,この相談が自分の事務所でするものであれば問題はないのですが,市役所などの相談の場合,自分が誰だか名乗れず,後日,調べた結果をお知らせするわけにもいきにくいです。こういった相談では,できる限り自分の知識の範囲で間違いのない部分に絞って回答せざるを得ないことが多いです。あとで説明内容の誤りに気づいたときなどは,役所の担当者を通じて回答するようにしましょう*3

*1:弁護士たるもの、ここで「おい。いいんか,俺の私見だけで。それでいいんなら楽だけどな〜」などとかみつきたくなることもあるかもしれませんが、あえてこらえて、こう言いたいですね→

*2:←屈託のない笑顔と、その奥に有無を言わせない眼力が必要です

*3:役所側としてはあまり好まれないやり方だとは思いますが