献本!

 事務所に平凡社から「謹呈 著者」との書き付けとともに頂戴いたしました。こういうの献本っていうんですよね。頂いたのは初めてです。小林先生,ありがとうございました。

こんな日弁連に誰がした? (平凡社新書)

こんな日弁連に誰がした? (平凡社新書)

 以下,感想ですが,,,,
 僕は平成12年秋に弁護士登録した53期です。司法改革という流れが形作られた二つの大きなうねりの最後に乗り込んだ弁護士の一人です。1994年と2000年に行われた重要な総会の様子など,私たちがなんだか分からないままに形作られていた歴史を勉強するいい機会になりました。この経緯を,分かりやすく臨場感あふれる筆で文章にしたものに接することが出来て良かったです。ちなみに,当時の僕は,といえば,2000年の総会には執行部提案に賛成の委任状を書いて提出していました。派閥の会長から「出しといてね」と言われ,何も考えずに出しましたね。弁護士会の集まりで執行部の先生に「司法改革についてどう思うか」と問われて,曖昧な笑顔でテキトーな返事をしていた若い日の自分を思い出しましたね。今思えば,いずれの結論を採るかどうかは別として,その考えなさが恥ずかしいな,と思います*1
 司法の世界のことではありますが,司法改革と言われたものはまさに政治の問題だったわけです。敗北の政治史,みたいなものがまとめられるとすれば,日弁連の政治的敗北は,学ぶべき先例に値するような気がします。僕自身は,この中から何を学ぶべきなのか,まだ考えがまとまりませんが,この本は,普段の忙しさに紛れてうやむやにしていたものを,個々の弁護士に思い出させてくれるいい刺激になります。
 そういえば,再選挙なんですね。何ともタイムリーな出版です(汗)。

*1:このほか,個人的には,井上正仁教授の出てくる下りが興味深かったです。東大4年時に井上教授のゼミにいたもので,たしかにいいそ〜,と思いながら見ていました。ちなみに,井上先生といえば,刑事訴訟学の中心におられながら体系書の執筆をされない方です。学生や受験生らから期待されながら,その気配すらありません。たぶん,執筆する時間がないんでしょうね。昔から,通信傍受法制とか,公務のお忙しい先生でしたから。引退後にゆっくり,とかでしょうか。ゼミOBとして楽しみにしております