長城のかげ

長城のかげ (文春文庫)
小学校時代に「人形劇三国志*1」で中国の歴史に目覚め,その後も,三国志演義(翻訳版),十八史略陳舜臣)などを読んで楽しんできました。卒業後はしばらく小説をお休みしていましたが,最近,この本を買って久しぶりに歴史小説を楽しみました。秦や前漢の時代を,項羽と劉邦を中心に,その周囲の英傑たちと絡めて掘り下げて描いた小編が集められています。僕としては,劉肥(劉邦の子)のエピソードが最も印象に残りました。子供が父親を眺める視点が変化していく様や,その心理描写が良かったと感じました。

*1:全くの余談ですが,この番組の語り部紳助竜介でしたね。松本竜助さんの死は残念ですが,安らかにお眠りください。謹んで哀悼の意を表します