取り調べの可視化

僕が学生のころから言われていた問題です。検察庁や警察はこれまで歯牙にもかけない対応でしたが、、、、思いがけず裁判員制度がこの問題の一角を崩すかもしれません。

解説:裁判員制度・検察聴取で録画 自白重視の捜査転換も
 取り調べ過程の録画・録音(可視化)に対し、捜査当局はこれまで「容疑者との信頼関係を築けず、自白が得られにくくなる」と、強く反対してきた。それでも今回、検察が録画・録音の試行に踏み切ったのは、国民が参加する裁判員制度の導入をにらみ、迅速で分かりやすい立証をする必要に迫られたためだ。
 一方で、自白を得ることを過大に重視する旧来型の捜査の在り方を転換することも求められる。国会で審議中の「刑事収容施設・被収容者処遇法案」は、「自白が強要されやすく、冤罪(えんざい)の温床になっている」と批判されてきた代用監獄制度を、存続させている。自白を強要する違法な捜査を防止する要請は強く、取り調べの録画・録音による捜査“監視”効果への期待も大きい。
 試行結果を踏まえて、検察は録画・録音を正式に導入するとみられる。さらに▽裁判員制度の対象事件以外にも広げるのか▽警察官による取り調べも対象にするのか−−などの判断が注目される。【森本英彦】

毎日新聞 2006年5月9日 東京夕刊

そういえば、司法研修所の刑事系の合同講義だったか、刑事裁判担当教官が「取り調べの可視化は将来の望ましい方向性である」という意見を述べたとき、比較的若い検察担当教官が苦々しい顔をしながらも「考えられない」といった反応をしていたようなことがありました。時代は変わっていますね。僕は裁判員制度には懐疑的な立場ですが、物事には功罪というものがあるようです。