公判記録閲覧求めて準抗告

刑事法専門の大学教授から奈良女児殺害事件の公判記録閲覧を申請された奈良地検がこれを拒んだようです。教授が準抗告しています。( http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20061211k0000e040051000c.html )
閲覧申請は,刑事確定訴訟記録法に基づき申請するものです。同法第4条には,次のような規定があります。

(保管記録の閲覧)
第四条 保管検察官は、請求があつたときは、保管記録(刑事訴訟法第五十三条第一項の訴訟記録に限る。次項において同じ。)を閲覧させなければならない。ただし、同条第一項ただし書に規定する事由がある場合は、この限りでない。
2 保管検察官は、保管記録が刑事訴訟法第五十三条第三項に規定する事件のものである場合を除き、次に掲げる場合には、保管記録(第二号の場合にあつては、終局裁判の裁判書を除く。)を閲覧させないものとする。ただし、訴訟関係人又は閲覧につき正当な理由があると認められる者から閲覧の請求があつた場合については、この限りでない。
 一 保管記録が弁論の公開を禁止した事件のものであるとき。
 二 保管記録に係る被告事件が終結した後三年を経過したとき。
 三 保管記録を閲覧させることが公の秩序又は善良の風俗を害することとなるおそれがあると認められるとき。
 四 保管記録を閲覧させることが犯人の改善及び更生を著しく妨げることとなるおそれがあると認められるとき。
 五 保管記録を閲覧させることが関係人の名誉又は生活の平穏を著しく害することとなるおそれがあると認められるとき。(以下,略)

ここで引用されている刑事訴訟法53条1項但し書きとは,次のようなものです。

第五十三条 何人も、被告事件の終結後、訴訟記録を閲覧することができる。但し、訴訟記録の保存又は裁判所若しくは検察庁の事務に支障のあるときは、この限りでない。
2 弁論の公開を禁止した事件の訴訟記録又は一般の閲覧に適しないものとしてその閲覧が禁止された訴訟記録は、前項の規定にかかわらず、訴訟関係人又は閲覧につき正当な理由があつて特に訴訟記録の保管者の許可を受けた者でなければ、これを閲覧することができない。
3 日本国憲法第八十二条第二項但書に掲げる事件については、閲覧を禁止することはできない。
4 訴訟記録の保管及びその閲覧の手数料については、別に法律でこれを定める。

法律関係専攻の大学研究者が,こういった規定に基づいて記録を閲覧することはよくあるようです。単に研究目的と言うだけではダメなのかもしれませんね。当該事件の被告人(現受刑者)の言動が社会の耳目を引き,有名となった事件だけに,何か「検察庁の事務に支障」ある点があったのでしょうか。あまり先例のない分野だと思うので,準抗告審の結果などが公表されたら見てみたいと思います。