刑事

弁護人の立ち位置

弁護士の男性は、福岡地裁小倉支部で公判中の被告から「刑務官にけがをさせられた」と連絡を受け、被告が収容されている小倉拘置支所で接見し、持ち込んだ携帯電話で顔を撮影した。撮影を見ていた刑務官に待合室への同行を求められ、30分にわたり画像消去…

篠山去ってまた篠山

篠山留置施設に通っていた被疑者国選事件、不起訴で終わりました*1。これでしばらくは長距離ドライブをして接見にいかなくても済むようになりました。 ホッとしていたら、事務所の佐々木弁護士にも遠距離接見の国選弁護事件が回ってきたような・・・・。がん…

柏原と明石の国選弁護

今年度から、神戸地裁柏原支部、同明石支部の起訴後国選弁護人も担当することになりました*1。一般的な国選弁護の場合、最初に法テラスから受任打診があるのですが、これらの裁判所に係属する事件については、弁護士会から提供されたリストを元に、予め裁判…

東北の裁判員裁判

東日本大震災を受けた地域で、裁判員裁判の進行が頓挫しているようです。 裁判員法廷が使えなくなっている地裁、呼び出そうにも対象者が大量被災していて呼び出しがたい地域など、困難な事情が山積みだそうです。他の裁判所管轄地域への移送、裁判官のみでの…

法廷イラスト

奈良地裁で審理中の刑事事件について、裁判長が、法廷でのイラスト作成、画材の持ち込みを禁止して話題になっています。 開廷前のわずかな時間しか法廷の静止画、動画の撮影が認められないわが国の運用では、審理中の法廷内の様子を報道するために、法廷イラ…

秋田の殺人事件について

秋田県で発生した弁護士殺人事件。今日は、被害者・津谷弁護士の葬儀か、単位会のお別れ会か何かがあったようです*1。東北のみならず、全国の弁護士に衝撃を与えた事件ですが、いまだ全容は解りません*2。トラブルにかかわる仕事であるだけに、常に危険がつ…

再審事件

先日、刑事事件関係で再審請求の相談がありました。なかなか珍しい相談でしたが、再審についての刑訴法の定めと判例を確認するいい機会になりました*1。 再審とは、有罪の確定判決に対し、被告人の利益のため、主に事実認定の不当を救済するためにもうけられ…

デジャヴ

大阪地検特捜部の検察官による証拠偽造事件は、上司だった特捜部正副部長による犯人隠避事件に発展しました。毎日、憂鬱な気持ちでニュースを読んでいますが、最高検の動きが何とも世論を意識しすぎたもののようで、危ういものを感じます。国民が納得する結…

あの検事さんの弁解を考えてみる

昨日、大阪地検の特捜部検察官が、最高検に逮捕されました。先ほどネットを見たら、今日付けで勾留決定も出ているようです。ひっくり返ったような騒ぎで、報道があふれていますね。 弁護人は? まず、気になるのは、検察官という立場にあった人にどのような…

再開?!

私自身はまだ担当再開していないのですが、事務所全体で見ると取扱いが復活しております。佐々木弁護士が私選刑事弁護事件を1件担当しており、ひとつの山を迎えているようです。勾留延長に対する準抗告とか、刑法総論各論の議論とか上場弁護の取り扱いとか…

チョナンカン・・・

公然わいせつ容疑で草なぎ剛さんが逮捕されましたね*1。一報を受けての感想は「逮捕しなくてもな〜」というところでしたが,帰宅して新聞を見てみると,かなりの泥酔で*2,深夜に大暴れし,警察官の制止も聞かなかったということですから,保護に近い状態だ…

キレる親

キレる親急増…児童相談所の積極介入に反発 2月21日17時9分配信 読売新聞 虐待を受けた児童の保護を巡り、児童相談所(児相)の職員が保護者から暴言や暴行を受けるケースが2006年度に全国で140件に上り、記録のある1998年度の5倍以上に増えたこ…

放火の動機

放火犯では動機に着目することを忘れるな,とは誰が言ったか忘れましたが,弁護方針を立てるときには参考になります。 今日こんな事件があったそうです。弁護のし甲斐のありそうな事件だな,と*1。刑事弁護だけでなく,家族再生のようなそんな付随的事件にも…

時効制度見直し

現在,我が国の私法の基本実体法である民法の改正作業が進められていますが,この中では,時効制度の改正が一つのテーマとなっています。それだけでも,おおすごいな〜,と思っていたのですが,今日の報道によると,民事における時効制度だけでなく,刑事事…

車外放出事故

車の事故による死亡者は年々減っているという報道がここ数年続いています。事実,僕たちが大学や司法試験受験をしていた平成10年ころに比べて,ほぼ半減しているのです。自動車の安全装置が進化したり,安全に関する法的規制が強化され,人々の意識が少し…

大学生薬物汚染

先日の慶大生に続いて、今度は同志社大生が大麻で逮捕とのことです。 http://www.sponichi.co.jp/society/news/2008/11/01/01.html 軽く考えて、との弁解が良く聞かれますが、軽く考えてとった行動がいい結果を生むことはほとんどありません。大学4年ともな…

knollさんありがとう

knollさんからのコメント*1をきっかけに連想エントリーです。 量刑相場 軒並み相場が上がっているという感覚です。治安悪化に対する不安が一般予防効果に対する期待感を掘り起こしていて、これを検察庁、裁判所が敏感に察知して求刑と量刑を押し上げているの…

終身刑創設へ

議論の進行は早いですね。早くも終身刑創設の方針が固まったとは驚きです。議連の青写真通りに進めば近く法案が国会で成立し、施行時期も早い時期になりそうです。僕が司法試験に受かった頃には、裁判員法はおろか刑事訴訟法に公判前整理手続もなかったし、…

被害者、弁護人、裁判員

まきままさんの感想にコメントつけながら雑感をば。 被害者感情と対立する弁護活動 被害者感情を抜きにして国家の法律で被告を裁く中にあって軽んじられていた被害者が被害者の会を立ち上げその流れの中でメデアは報道のバランスを崩してしまったのでしょう…

やったもん勝ち?

なんだかモラル崩壊もドンドン進んでますね。「ばれなきゃいい」というより「ばれても関係ない」という意識なんでしょうか。やったもん勝ちという歪んだ考えが見え隠れします。被疑者が80歳っていうのも、高齢者層にまで破壊が進んでいるのか、と暗澹たる…

弁護団の失敗

まきままさんからコメントを頂いたので、返信旁々雑感を。 光母子殺人事件の判決が予想どうり死刑になりました。 最高裁から高裁に差し戻された時点で極刑が求めたれていたわけですよね。 死刑を回避するために裁判官の言葉を借りれば荒唐無稽な「母体回帰」…

光市事件判決前日

控訴審判決直前になってようやく、報道の論調もバランスの取れたものになってきたような気がします*1。 光母子殺害 本村さん「死刑判決信じる」 控訴審判決前に 4月20日10時26分配信 毎日新聞 山口県光市の母子殺害事件の差し戻し控訴審判決が22日に広島高…

法曹増員しても刑事弁護の質は上がらない

朝日新聞の日曜日の社説です。この問題と法曹増員を結びつけて考えることは適切でないように思いました。 (前略)強姦(ごうかん)と強姦未遂の容疑で富山県警に逮捕され、実刑判決を受けた男性の冤罪問題を日本弁護士連合会が調べた。(中略)驚くのは、弁…

嬰児殺

殺人にも色々なカテゴリーがありますが、被害者の属性に着目すると、尊属殺*1とか嬰児殺といわれるものがあります。最近は、若い親による嬰児殺のニュースが多く、気持ちが暗くなりますね*2。それで思い出しました。 僕のつたない刑事弁護経験の中に嬰児殺事…

高齢者虐待防止法の罰則

理屈じゃあないのでしょう。高齢の父一人を娘一人で介護していたのなら、精神的にとても大変なのも分かります。そういう生活をしているウチに、社会から孤立して取り残され、気が付いたら後戻りできなくなっていた、という事件の構造を想像すると、なんだか…

完全黙秘の男

逮捕から完全に黙秘を貫いて執行猶予判決を受けた被告人が報道されてましたね。珍しいと報道されてましたが、本名が分からない被告人はそれなりにいるもので*1、捜査の最後まで何者か分からない場合もあるみたいです。山形地検で検察修習をしていたときも、…

再会

否認事件で一緒に戦った被告人と偶然再会しました。その事件は、公訴事実の存否を否認するなどして争いましたが、結局被告人の言い分は聞き入れられず、公訴事実をそのまま認定されてしまった案件でした。確定した量刑は比較的軽かったという記憶ですが、実…

お疲れ様

某有名事件の差戻審で論告がありましたが、これと日を同じくして、いまや有名弁護士の仲間入りをした今枝仁さんが弁護人を電撃解任されたというニュースも入ってきました。今枝弁護士の刑事弁護活動については賛否両論があり、弁護団内部でも、橋下弁護士と…

法律事務所襲撃事件再び

大阪の弁護士事務所で、事務員さんが殺害されました。警察は強盗殺人被疑事件として捜査を開始したようです。 大阪の弁護士事務所で女性殺害 事務員、強盗殺人容疑 神戸新聞 2007/09/10 20:34 10日午後2時55分ごろ、大阪市中央区内平野町のマンション1…

親知らず再び!(更に1.5倍)

前回の2本に引き続き、今日も近畿中央病院で3本*1抜いてきました。相変わらず、手術そのものに痛みは無く、出血もすぐ止まりました。3本も抜いたので、抜いた後のずきずきは少しありますが、恐れていたほどではありません。ところで、抜歯後の待合室で携…