弁護人の立ち位置

弁護士の男性は、福岡地裁小倉支部で公判中の被告から「刑務官にけがをさせられた」と連絡を受け、被告が収容されている小倉拘置支所で接見し、持ち込んだ携帯電話で顔を撮影した。撮影を見ていた刑務官に待合室への同行を求められ、30分にわたり画像消去を求められたという。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120406/trl12040614220003-n1.htm

携帯電話やカメラは必要があれば接見室に持ち込み、必要があれば撮影もするのが、多くの弁護士だと思っています。
任意に事務室についていく必要もありませんが、仮に同行したとしても画像の存在を含む弁護士としての事件記録の内容を知らせてやる必要なんてありませんし、ましてや消去に応じるのは考え難いです*1
施設管理権というのは、それほど無限定で絶対的なものではないはず。
なお、管理者がことを起こすというなら、接見交通権侵害で戦う覚悟が必要ですが、日弁連や単位会が助けてくれることは期待できません。こういうところは、「スジ」のいい事件を選んで動かざるを得ないんで。
かくして、自分の身は自分で守るべきです。
国家権力と一人で対峙する、職業的な存在意義を思い出す話ですよね。
その準備ができていない間は、弁護士待合室にご丁寧にも設置していただいているロッカーにあなたの武器を差し出してからおとなしく接見することになります。

*1:必要があると考えて証拠保全したのであれば、当然です