チョナンカン・・・

 公然わいせつ容疑で草なぎ剛さんが逮捕されましたね*1。一報を受けての感想は「逮捕しなくてもな〜」というところでしたが,帰宅して新聞を見てみると,かなりの泥酔で*2,深夜に大暴れし,警察官の制止も聞かなかったということですから,保護に近い状態だったのか,それとも公務執行妨害的な言動があったのかな,と思います。結論として,身柄拘束は仕方ないと思います。
 で,書こうと思ったのは報道に流れている画像のこと。警察署から移動する際の様子が,彼の表情含めて上半身全体でばっちり写っている写真のことです。警察や裁判所,検察庁などに被疑者が出入りする出入り口は当然ながら通り沿いの見通しのいい場所ではありません。裏口の奥まったところとか,車を横付けにすれば決して姿が見られないように遮蔽板が設置された出口もあったりします。少年事件などの場合が典型ですが,被疑者の映像を取られないようにする場合には,ブルーシートで覆ったり,地下の駐車場で被疑者を車両に乗せたり,ジャンパーで顔を隠させたり,という対応をします。ただ,警察があえてそのような配慮を怠る(ないしはあえて配慮しない)事件もあるのです。実際,今回はノーガードといっても過言でなく,警察としては「草なぎ剛さんの姿をあえて世間にさらそう」とい選択をしたのだろう,と感じています。
 警察が扱っている情報は高度の秘密性があり,公務員の守秘義務,被疑者のプライバシー等を挙げるまでもなく,情報の取扱には慎重の上にも慎重を期しているはずのところです。ところが,「捜査中なのでノーコメント」を貫く事件がある一方で,捜査情報を公式発表か否かは別としてリークしていく事件もある。また,被疑者を完全ガードしたかと思えば,あえて被疑者の様子を世間に晒す場合もある。事案によってこれらを使い分けるあたり,日本の警察は単なる捜査機関ではないと思わされるところです。これをどう評価するかはいろいろで,世間を意識した情報公開を行っているとか,国民の知る権利に応えているとかの観点で見れば,「警察に対する民主的コントロールが強く及んでおり,いいことだ」ともいえますが,逆に,こういう見方もあります。「世間へ恣意的な情報操作をして,世論をリードしようとしている」と。各捜査担当者にはそこまでの意識はないのでしょうが,警察から情報がリークされているたびに,私自身はそう感じることが多いですし,結果的にそのような効果を強く発揮してしまっている事例があるような気がします。
 ということで,送検される被疑者の映像などがテレビに映ったらよ〜く映像を見てください。その背景にどういう意図があるのか,考えてみると面白い?ですよ。

*1:出身事務所の先輩事務員Rさん,SMAP大好きだったので,さぞやショックかと

*2:飲酒検知で0.8って相当高い数値です。道交法の規制値が0.15ですから相当高いのは数字でも分かりますよね。司法修習生時代に,山形県警での飲酒検知実験に参加したときは,自分的にはもう飲めない〜って状態で計測しても0.25くらいでした。まあ,お酒は普段飲まないし,飲んでいた頃も相当弱かった僕が実験したデータではありますが