鉄道自殺・・・ありえん┐('〜`;)┌

 引用記事からも分かるように、他人だけでなく身内にも大変迷惑な行為です。自ら死を選ぶという行為には、もともと何らの合理性も見いだせませんが*1、経済的にみれば「不合理にも程がある!」というところです。「あんた、残される家族のことは頭から抜け落ちているだろう!」と一喝したくなる程の悪行といえるでしょう。

止まらぬ飛び込み自殺 JR西 防止決め手なく苦慮
               8月23日16時14分配信 産経新聞
 JR西日本管内での飛び込み自殺が平成19年度、前年度に比べて8件増え85件にのぼっていたことが23日、分かった。今年度もほぼ同じペースで推移しており、減少の兆しは見られないという。利用者に大きな影響を与える鉄道自殺だが、同社では「防止の決め手はない」と苦慮している。
(中略)
 同社によると、事件性の有無を調べる警察の現場検証の後、遺体の搬出を経て運転再開までの平均所要時間は1時間程度。2時間以上かかるケースもある。

 昔、鉄道会社で駅員のアルバイトをしていましたので分かりますが、飛び込みがあると本当に大変です。僕自身が直接作業に携わったことは(幸い)なかったのですが、先輩アルバイトの方に聞いたところでは、勤務先の隣駅で飛び込み自殺があり、現場検証のあとの遺体搬出作業にはアルバイトを含めて勤務先の駅員が相当人数駆り出されたことがあったそうです。高速で通過する特急や急行列車への飛び込みが多い関係で、遺体はバラバラに損傷しており、目に見える断片をすべて回収するまでは相当の時間がかかり、その間は胸の悪くなるような作業に耐えなければならなかったそうです。駅に残った人員も、乗客らへの説明に追われ、代行バス振替輸送への対応、誘導など大混乱に陥ります。

 鉄道各社の経済的損失は、車両の破損のほか、代行バスなど振り替え輸送費用などで数百万円に上る。新幹線の場合は、特急料金の払い戻しの人件費などで億単位の損害が出るという。さらに、残された家族は鉄道各社から損害賠償を請求され、鉄道関係者によると、「法的手続きに至るケースもある」という。(後略)

 法的手続とは、具体的にいうと、損害賠償請求訴訟でしょう。自殺者の行為によって、鉄道各社が被った損害額を、自殺者の法定相続人に対してその法定相続分に従って請求するわけです。相続人は自殺発生後3ヶ月以内に家庭裁判所相続放棄の手続をとらない限り、損害賠償責任を免れないことになります。場合によっては億単位、、、、考えられない額ですね。
 人間誰にでもやってくる「死」は、意図しなくても、ときに周りに負担や迷惑をかけてしまう事象です。もし、自分が死の床にあって、そのような負担をかけていることを認識していれば、どのような理由でそうなっているのであれ、心苦しく思うことでしょう。しかし、自らの選択によってかけなくてもいい迷惑を回避できるのに、それをせず、あえて迷惑や負担を周囲に与えて死ぬ方法を選ぶというのは、今時の言葉で言えば「ありえな〜い!」ってくらいのワガママだと思うのですよ。鉄道への飛び込み、、、、ダメ、ゼッタイ。

*1:文学的には何らかの意義を見いだすことが出来るのかも知れませんが、これはフィクションの世界に属する事だから許容されるのです