書記官も受難

 「なんで私が殴られなきゃならないのよ・・・・」(心の声)。

敗訴に立腹、書記官殴る=43歳男を逮捕、大阪地裁で
         1月27日19時49分配信 時事通信

 27日午後1時40分ごろ、大阪市北区西天満の大阪地裁4階の民事部書記官室で、男が女性書記官(27)の顔を数回殴った。別の書記官が男を取り押さえ、駆け付けた府警天満署員が公務執行妨害と傷害の現行犯で逮捕した。女性書記官は軽傷。(中略)同日判決があった民事訴訟で敗訴し、書記官から控訴手続きの説明を受けている途中、突然殴り掛かったという。「裁判に腹が立った」と供述しているという。

 弁護士事務所が襲われるなんてニュースも最近は多いですが,裁判所だって安全ではありませんね。
 裁判官は法廷で控訴権の告知をするだけですので,具体的な説明を求められた場合や受付事務は書記官室で行います。通常は,事件の担当書記官が対応するのだろうと思います*1。しかし,敗訴判決を聞いた直後の高ぶった状態でやってくる当事者を相手に控訴手続きの説明をするのは結構緊張する仕事であろうと想像できます。刺激しないような応対の工夫をシミュレーションしておくことはもちろんですが,それまでの審理経過等で当事者の性格や態度等から必要と判断される場合には複数の職員で対応するなどの対策が必要だと思います。
 いずれにせよ軽傷で済んで良かったですが*2,精神的なショックは大きいと思います。本人が希望すればのことですが,大阪地裁としても当人をしばらく当事者と直接接しないですむ業務に異動させるなど人事的な配慮も必要なのではないでしょうか。

*1:弁護士はある程度分かっているので,判決をわざわざ法廷まで聞きに行くことも普通はしませんし,書記官室に控訴手続の説明を受けに行くこともありませんので。

*2:傷の中身にもよるので,一概に軽いからいいというわけではもちろんありませんが