適正手続

 オランダ戦後の余韻でだらだらしています。眠気がこないので、雑感をだらだらと。。

毎日新聞から→  http://mainichi.jp/enta/sports/general/sumo/news/20100620k0000m050060000c.html?inb=yt

 日本相撲協会が賭博関与力士の処分を外部の委員会にゆだねたというニュースがありました。最近は、日本中で、「結論や目的が正しければそれに至る経過、手法、手続に多少の問題があってもしょうがない」といった考え方が幅を利かせているような気がします。例の阿久根の市長さん*1もそんな風に見えますね。
 相撲協会は、大麻問題のときから事の進め方がぐちゃぐちゃでしたが、今回の賭博問題でも不適正手続そのものです。軽い処分にしてやるから申告しろと言っておいて、芋づる式に出てきたら、重い処分もありえるとか言い始め、最後は外部委員会に丸投げして「処分もご随意にどうぞ」っていう態度です*2。これが警察の捜査だったら、利益誘導云々と弁護人突っ込みどころありまくりで笑いが止まりません。敵失、オウンゴールの連発で、本来であればきっちりと処分できる事象を処分し損ねる可能性が高いでしょう。
 後味の悪さ、すわりの悪さ、相手に言い訳を与える、、、、、表現はいろいろありますが、その処分の目的がいかに正当であっても、きちんとしたルールに従って処分できるかどうかは、その処分の価値を左右します。大麻の蔓延は問題だと思うし、賭博の問題性、暴力団との関係などもよく知っています。それらが事実だとすれば、相撲という国技を愛する一人として残念だと思いますし、いずれも根絶されるべき問題だと思いますが、だまし討ちや不公平な処分によってその目的を実現することは正義のために正義を損なうもので、形を変えた問題を生むだけなんだろうと思うのです。
 数年前、ある不動産オーナーから「そいつの家に勝手に入って鍵を付け替えてやったのは事実ですけど、家賃滞納するような悪い奴です。何が悪いんですか。」と言われたときにも似たようなことを思いました。適正な手続き。詰めを誤らずに、誰の目で見ても文句のないような形で結論まで一歩一歩進むこと、最近軽視されがちなこういったことの価値を見直す必要があるのではないでしょうか。

*1:司令官さんみたい、と書いてる記事もありました

*2:文部科学省が外部委員会の設置を求めたとはいっても、同省の指導はもともと「自浄能力を発揮してくれ」という点にあったのではなかったでしょうか