反対尋問

 例えば,原告として訴訟を起こした相手方本人を,被告側の立場で尋問すること,これが反対尋問です。
 訴訟を起こすということは,それまでの話し合いの過程では解決できなかったということであり,長い戦いの末にたどり着いた尋問期日なのです。発言の機会に臨む原告本人の気持ちは想像に難くありません。こういうときは,いかに敵といえども,どのような言葉でどのような態度で質問を投げかけるか難しいところです。弁護士のスタイルにもよるのでしょうが,私は割と紳士的に尋問するタイプです*1。事前交渉の段階では割と冷徹な対応をせざるを得ないことも多いですが,訴訟となり尋問までたどり着いたほどの事件であれば,闘い抜いてきた相手方への礼儀というか尋問では自然と相手方への敬意を覚えることも稀ではありません。

*1:自分でそう表現すると恥ずかしいですが