脳脊髄液減少症:実態調査開始

調査の開始が遅すぎるぐらいの印象です。福岡地裁行橋支部の判決*1など個別の司法救済は散見されるようになりましたが,抜本的には「篠永教授をはじめとする一部の医師たちの私見」といった扱いがされない程度に医学的な検証が進むこと,症状と治療とその効果の実勢を明らかにして国を動かすことなどが必要でしょう。保険会社だって国の出している指針とか基準とかに従って運用しているわけですから。今回の調査がその第1歩になればいいと思います。

脳脊髄液減少症:患者ら実態調査、3000人を目標 特定疾患認定、要望へ
 交通事故などによる強い衝撃で生じるとされる脳脊髄(せきずい)液減少症(低髄液圧症候群)の患者団体「サン・クラブ」(本部・大阪市)の栂(とが)紀久代代表が10日、大阪府庁で会見し、国に患者や家族の救済を求めるため、患者の実態調査を行うと発表した。
 調査は、連絡のあった髄液漏れの患者に発症原因や症状の程度、治療による効果などを問う質問用紙を郵送。10月までに3000人を目標に協力を呼びかけ、治療や特定疾患への認定などを国に要望する方針。
 同症は、外部からの強い衝撃で脳の脊髄液が漏れ、激しい頭痛やめまいなどの変調が長期にわたって続く病気。潜在的な患者は10万人以上と推定されているが、実態は明らかになっていない。
 栂代表は「詐病などと言われてまともな治療を受けられないのが現状。患者の置かれたつらい現実をわかってほしい」と訴えている。連絡先は同本部(06・6474・2114、メールアドレスはsun_info@togakikuyo.com)。【阿部浩之
毎日新聞 2006年7月11日 東京朝刊

それにしても、毎日新聞はこの話題をよく追っていますね。

*1:現在,原審被告から控訴されて福岡高裁で審理中と聞いています