弁護士控室の運命

今,大阪地高裁の弁護士控室にいます。ロッカーに「使用不可」なんて張り紙がしてあります。そういえば,大阪弁護士会は新しい会館を造っていたので,大阪地高裁の弁護士控室内にあった事務局機能を完全撤退させたのでしょう。弁護士控室としての機能は残るのでしょうか?少々気になります。各地の裁判所には,弁護士控室というのがあります*1。何だか特別扱いされているみたいですが*2,民事裁判における代理人活動,刑事裁判における弁護活動では,裁判所での執務拠点ないしは打合せスペースというのが不可欠です*3。しかし,昨今,各省庁の予算が削られるとか,なれ合いを指摘されたりして,各地の弁護士控室は移転とか縮小とかの問題に晒されているようです。特権にしがみつくという姿勢では到底社会の理解は得られないと思うのですが,こういうことで必要です,という具体的なアピールがなされないと行けないなと思っています。例えば,簡易裁判所なんかで当事者相手の民事訴訟をすると,裁判官から「判決するので,あとは当事者同士で話し合って」と言われることがあります。そんなとき,相手方との話合いの場は,弁護士控室がベストです。相手方代理人ですから,自分の事務所に連れていくわけにもいきませんし,裁判所の法廷でそのまま居座るわけにも行きませんし,衆人環視の一般待合室や廊下で話すわけにも行かないからです。

*1:余り使われているのを見ませんが,検察官控室というのもあります。少なくとも神戸には

*2:登録当初はそういう勘違いも一瞬ですがしました

*3:ちなみに,身柄拘束されている人が依頼者ないし被告人であるケースでは,裁判所内の接見室について同様の問題が生じます