留置場で被疑者自殺

 栃木県の警察署で、弁護人との面会を終えた被疑者が自殺しました。保険金に絡んだ殺人事件の被疑者で無罪の主張をしていた方のようです。
 この事件では、弁護人が接見室を出た後、係官に接見終了の旨を告げずに庁舎を出ているようです。庁舎の造りというのはまちまちですが、栃木県のこの庁舎では、接見室の面会者側入り口が庁内の一般通路に面していたタイプが採用されていたようです。兵庫県大阪府でも、接見終了後、弁護士が誰にも会わずに接見室から出て、そのまま庁舎を出てしまえるところはあります*1。そのような庁舎で被疑者被告人と接見した場合、弁護人が先に帰ってしまえば、接見室内で被疑者はある意味誰にも見られない時間を少しだけ享受することが出来る仕組みになっています。
 ただ、一般的には、接見が終了すると、被疑者は自分の側の入り口をドンドンと叩いて係官を呼びますし、僕の場合も、被疑者にそうするように促しています*2
 なお、「接見終了をベルで知らせる」というのが一般的扱いかといえば、兵庫県の場合、拘置所で採用されているくらいで、他の警察署では一般的な扱いではないと思います。用事があるのに誰もいないから仕方なくベルを押して「誰かいないか〜」とやることはありますが、ルールではないでしょうね。

*1:接見室の面会者側入り口が留置管理係の執務室内に面している場合は、本件と違います。弁護人は接見室から出られても、係官に声をかけないと、留置管理係の部屋から出られないことになります。たまに扉が開いていることがありますが、原則は閉扉という扱いのはずです

*2:留置管理係の人と話をするのも大切なことです。被疑者が呼び出してくれた係官に「ついでに後でいいから外の扉も開けてね」とお願いすることもできます。そして、係官と雑談がてら被疑者の健康状態や室内での様子などに関して情報を収集したりすることもあります。