生活保護申請

 この記事にあるように、福祉事務所が申請そのものをさせないように、来訪者の意思をくじくような働きかけをしているケースはたくさんあります。格差社会というキーワードで片づけるのは好きじゃないですが、そうでも言わないと何とも説明の使用のない状況が現実になっています。単純な競争社会の弊害を是正し、実質的平等を促す装置としての「福祉」が軽視され始めているような気がしています。

生活保護申請に「無駄」 大阪市に公開質問状   神戸新聞2007/09/07 21:16

 生活保護の申請に訪れた男性(54)に大阪市の担当職員が、男性が住むマンションの家賃が高いことを理由に「(申請は)無駄」と申請用紙の交付を渋り断念するよう働き掛けたとして、弁護士などでつくる「生活保護問題対策全国会議」は7日、大阪市に公開質問状を提出した。大阪市の上野厚雄生活保護担当課長は「安い住居への転居を指導することはあるが、家賃を理由に申請を受け付けないのは不適切だ。今後、そうした対応をしないよう担当者に周知した」としている。
(中略)
 弁護士らによると、男性は妻と月額家賃11万円のマンションに住んでいたが、目が悪くなって働けなくなり滞納。電話やガスも止められた。安い住居に引っ越す金もなく生活は困窮。ことし6-7月に数回、市内の福祉事務所を訪れ、生活保護の相談をした。(後略)

 これまでは、生活保護申請でのトラブルがあっても、あまり法的問題としては捉えず、この問題を取り扱う弁護士も多くはありませんでしたが、これからは弁護士も研修して、生活保護申請分野での援助にも対応する必要があると感じています。依頼者や相談者の中に生活保護が必要な切迫した状況にあるのに、相談に行くとまるで「追い返された」かのように感じる方も少なくないようです。
 この問題については、法テラスでも弁護士による援助をメニューとして用意していたと思いますので、悩んでいる方は一度相談することをお奨めします。